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「両利きの経営」の個人への当てはめ

「両利きの経営」とは

企業経営で使われる言葉に「両利きの経営」というものがあります。

これは、既存事業の深化(効率化や強化)と新規事業の探索(創造や連携)を両立する経営を指します。

よく取り上げらる事例として、Amazonは、取り扱い商品の拡大、ワンクリック購入の特許取得、レビューの掲載のように、既存事業を深化しながら、オークションビジネスに参入したり(撤退済)、Amazon KindleやAmazon Echoを発売したり、食品スーパーチェーンを買収したり、新規事業の探索にも取り組んできています。

探索は、成果が出るか不透明で、長期的な成果に関わる活動である一方で、深化は、より確実に短期的な成果が得られる活動と言えます。

(※参考:この一冊で全部わかるビジネスモデル/根来龍之共著)

個人への当てはめ

製品やビジネスのライフサイクルが短期化している現代においては、探索の重要性が高まってきているように思います。その現れとして、企業に新規事業開発系の部署が設置されたり、M&A件数が増加したり、新規事業開発ができる副業人材ニーズが高まったりしてきています。

ビジネスのライフサイクルの短期化は将来の企業存続を不安定にし、その結果、個人の将来も見通しが立てにくい環境になってきています。

 

これに対する対策として、個人の人生設計にも企業と同じように「両利きの経営」を取り入れることが考えられそうです。

企業の場合、探索と深化は組織内で異なる能力を必要とし、組織の資源を奪い合う「相互に対立する活動」であるとされますが、まさに個人でも同じで、特にサラリーマンの場合は、既存事業の深化(本業で頑張ること)に時間を取られ、探索に時間を割くことは難しい環境でした。

昨今のテレワークや副業解禁の流れは、探索のチャンスになります。既存事業の深化にだけ目を向けていればよかったところ、そういうわけにはいかない環境になりつつあるということですが、これは必ずしも面倒だったり悲観すべき状況でなく、既存事業だけでは見れなかった世界に触れられるという意味で人生を豊かにしてくれるとも言えますので、ポジティブに人生設計してきましょう!

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