8/26付の日経新聞に、副業をする人の残業時間に関する新ルールが出ていましたので少し整理してみます。
まずは、こちらをご覧ください。
(出典:株式会社リクルートキャリア)
これは、副業を禁止している会社がその理由として挙げている項目です。労働時間に関する懸念が大きいために、副業が認められていないことがわかります。そもそも労働時間は、別の会社で働いた時間も合算して計算される(通算ルール)ことになるため、副業先での労働時間が把握できないために、副業との合算で、労働時間上限を超えてしまうのではないか、という懸念です。
労働基準法第 38 条:労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する
労働基準局長通達:「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含む
この労働時間に対する懸念への手立てとして、厚生労働省は、勤務先に残業時間を事前申告する運用を9月から開始します。具体的には、月のトータルの残業時間規制上限が80時間の場合、副業する従業員は、本業先で50時間、副業先で30時間などと割り振って、それぞれの会社に事前に申告することになります。
ポイントは、「企業は申告された残業時間の上限を守れば、仮に社員の副業先の残業時間が規制の上限を超えても責任を問われない」ことです。これにより、副業先での労働時間が把握できないことが、副業を認めない理由になりにくくなりますので、副業容認が一層進むことが期待されます。
コロナの影響で在宅勤務が進んだり、就労時間が減少したりしたために副業に対して興味を持つ人が増えている一方で、実際に副業している人は増えていない実態があります。この新ルールが、週5で働く一般的なサラリーマンにとっても、副業を始める後押しになってくれればいいなと思います。